近年、「ブラック企業」という言葉を、テレビやネットの世界でよく見るようになりました。
新卒で入社した会社も、いわゆるブラック企業だったり、転職をしてまたブラック企業には入りたくないですよね。転職サイトやハローワークで求人を探しても、求人票だけではブラック企業か判断するのは難しいものです。
しかし、ブラック企業には特徴や共通していることがあり、注意して選べば見分けることができます。
この記事では、第二新卒や経験の少ない人でも見分けられるブラック企業の見分け方をご紹介します。
私も「ブラック企業」と呼べるような企業に半年間おり、苦渋をなめてきた一人です。
もう一度戻れと言われても吐き気と胃痛で絶対に無理です。ブラック企業に入らないためにも、経験の少なさは注意力でカバーするしかないのです。
Contents
ブラック企業の見分け方|7つのチェックポイント!
離職率の高さをチェック!
ブラック企業を見分ける上で、まずチェックしてほしいのが「離職率の高さ」です。
新卒で入社した人の入社3年以内の離職率をチェックします。
離職率については、毎年発売されている「就職四季報」(東洋経済新報社)に、新卒入社の3年後の離職率が掲載されています。
新卒入社の離職率が高い企業は、若者が働き続けることが難しく、毎日の長時間労働や有給休暇も取れないようなブラック企業の可能性が高いです。
見方としては、四季報に「NA(ノーアンサー)」記載されている企業は問題があります。そもそも「NA」を出している時点で警戒するべきでしょう。
説明会などで直接聞きたいところですが、まず答えないかそもそも聞きずらいです。
その場合、「四季報」でその企業の従業員数と採用数を調べます。従業員数に比べて採用数が極端に多い場合は、離職率が高い可能性があるので注意しましょう。
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残業時間や有給休暇の取得日数をチェック!
意外に見落としがちですが、行きたい企業の残業時間や有給休暇の取得日数もブラック企業を見分ける大事なポイントです。
この情報も「就職四季報」で確認することができ、掲載欄に「NA」と記載されている会社も当然のようにあります。
四季報にウソは書けないので、公開できないようなことはこうして「NA」とするケースが少なくありません。
たとえデータがきちんと記載されていても、あくまで目安として認識しておきましょう。
求人票と実際の情報とのズレをチェック!
ブラック企業の特徴として、求人票に記載された待遇や情報が実際に入社すると大きく異なる場合です。
このパターンが今もっとも多く、「月給20万円(基本給)」とあっても実はこの基本給の中に80時間の残業代を含んでいることがあります。
実際は基本給は十数万円で、残業代や手当などが込みで20万円となっているなどです。すでに給料が決まっているので、どれだけ残業しても数字が変わらず、かなりのサービス残業を強いられるケースです。
実際の待遇については面接などでは聞けないことも多く、「入社したら内容が違っていた」なんてことがよくあるのです。
しかし当時の私のような20代の若者は、苦労して入社した会社であったり、新卒で辞めることのリスクを逆手に取られて、「甘いえている」「どこにも転職なんてできない」と真面目な人ほど付け込まれやすい。
このような場合になる前に、内定をもらった後に送られてくる「採用内定通知書」等に記載された労働条件をきちんとチェックしておくことが大切です。
少しでも気になる点や異なる条件があるのなら、臆せず連絡をしましょう。
曖昧な態度や逆ギレしてくる場合は、ブラック企業の可能性が高いです。
会社に労働組合があるか
ブラック企業の見分け方であまり確認する人が少ないですが、「労働組合があるか」はとても重要です。
「労働組合」とは、簡単に言うと、労働者が自分たちの権利を守るために団結して会社と戦うための組合です。
団体交渉をしたり、今はあまりありませんがストライキなどを起こしたりもできます。
企業にとっては、労働者一人との間にはとてつもない力の差がありますが、団体となり組合として会社に立ち向かうことができる労働組合の力は大きく、企業はこれを無視することができません。
つまり、会社に「労働組合」を設けている企業は、きちんと労働者に意見する権利を与え、対等であろうとする企業の表れでもあるのです。
ブラック企業にさせないためにも、労働組合に入って声をあげることが大切です。
マスコミ報道やニュースをチェック!
電通の20代社員の自殺も話題になりましたね。
ニュースやマスコミ報道のあった会社はよっぽどなので、すでに避けているかもしれませんが、当然チェックしておくべきです。
過去にまでさかのぼり、過労死、サービス残業、セクハラなどの報道があった企業は、ブラック企業である可能性が高いので注意してください。
ネットなどでも検索すればすぐに出てきますが、問題は事件となっていないけれどサービス残業やパワハラなどが横行している場合です。
現役社員が書き込むサイトや口コミなど、インターネットの情報などをチェックしておきましょう。一番良いのは、大学の先輩など知っている人が入社している場合に直接聞いてみることですね。
個人的には、「転職会議」や「カイシャの評判」「Vorkers」辺りがおすすめです。
矛盾してしまいますが、口コミサイトを信用しすぎず、あくまで参考程度にしておきましょう。また、面接や企業訪問などで現役社員の様子を見ておくことも大切です。
夜遅くまで電気がついている
これは実際に会社へ行き、夜遅くでも電気がついていればサービス残業や激務の可能性が非常に高いです。
ブラック企業の特徴として、特に若者や経験不足の人にノルマや終わらない資料作りなどをさせ、サービス残業をさせることがあります。
精神論などで若い社員を押さえつけ、できなければ「甘えている」「自分たちはこれくらいやっていた」などと若いからと言う理由でいじめるケースも少なくありません。
できなければ返してもらえないことがほとんどなので、深夜でもオフィスの電気がついている会社は危ないです。
不自然なほど誇張した求人
求人を探すときにブラック企業を見分けるポイントとして、給料や待遇などをやたらよく表現するところも「ブラック企業」の典型です。
ブラック企業は人の出入りが激しいため、常に人手不足に陥っています。
そのため、なかなか仕事が見つからない人や条件を選ぶ若者を大量に呼び込むために、あえて誇張した表現を使います。
また、「実力主義」「頑張った分だけ給料がもらえる」など、やりがいや成果主義であることを主張するケースもブラック企業の典型的なケースです。
実際に給料が低ければ「お前の頑張りが足りない」などと企業方針でごまかせるため、過酷な労働を強いられる場合があります。
ブラック企業の典型的な表現例
- 25歳で年収○○万円
- 実力次第で年収○○万円も可能!
- 成果主義、実力主義の会社です
- 「学歴不問」「未経験者歓迎」
- アットホームな会社です!と仲間内の写真をデカデカと掲載
こういった過剰な表現はブラック企業の可能性が高いので、見分け方として覚えておきましょう。
求人広告の見分け方については、『それダメ?新卒が求人広告でブラック企業を見分ける3つのポイント!』で詳しく解説しているので、参考にしてください。

見分け方まとめ|ブラック企業に入らないようにするには?
以上が、誰でもできるブラック企業の見分け方です。
最後に7つの見分け方ポイントをまとめておきますので、きちんと把握しておきましょうね。
- 離職率が高い!
- 残業時間や有給休暇の取得日数が不明!
- 求人票と実際の情報とのズレがある!
- 会社に労働組合がない
- マスコミ報道やニュースでブラックな情報がある!
- 夜遅くまで会社の電気がついている!
- 不自然なほど誇張した求人!
見分け方だけでは防げない?
ブラック企業に入らないようにするには、上記のような求人や企業に注意することも大切ですが、自分一人では限界があります。
まさか自ら会社に乗り込んで、社内を調査することもできません。
第二新卒や既卒など、経験も知識も少ない20代でなくとも「ブラック企業」を見極めるのは難しいです。表向きはいくらでもごまかせるので、本当の内情までは知ることができません。
特に転職や就職に困る若手は、正社員になりたいという意識を逆手に取られやすいからです。
ブラック企業を排除する転職エージェントもある!
しかし今や、実際に企業に足を運んで調べたり、内情を細かく教えてくれる転職エージェントも存在します。
第二新卒向けの転職エージェント「いい就職.com 」では、実際に専任スタッフが企業へ足を運び、内情や働きやすさを調べた正当な企業しか紹介していません。
企業数は普通の転職サイトより少ないですが、安心した働き口を見つけられるのは間違い無いでしょう。
ブラック企業の見分け方だけでは表面上の情報しか得られませんが、いい就職.comなどの内部事情を知る転職エージェントで転職活動することが、一番確実にブラック企業に入らない方法かもしれませんね。