「何年目で転職するのがベスト?」「新卒が辞める割合は?」など、新卒で会社を辞める人や転職する人はどのくらいいるのか気になりますよね。
実は、市場データから見ても、新卒3年以内で早期退職や転職をする人は意外と多いことがわかります。
転職とは「周りがどうではなく、自分がどうしたいか」で決めるものですが、「自分だけじゃない」ことを知っておくのも若手が転職する後押しになるものです。
この記事では、厚生労働省のデータをもとに、20代や新卒の転職率や辞める理由を解説しています。あなたも転職に迷っているなら、何年目の転職がベストかを判断する参考にしてみてください。
転職は何年目が多い?全年齢の転職率
新卒や20代前半で転職を考えている人は、「どのタイミングで転職していいのか」「普通は何年目で転職するもの?」と、転職するタイミングに悩んでしまいますよね。
以下は、厚生労働省が調査した「転職入職者の状況(令和2年最新版)」をグラフにしたものですが、実は正社員の転職率が最も高いのは新卒3年以内の新社会人で、全体の30%にもなることがわかっています。
一般的には、「石の上にも三年」と言われるように、3~4年目の転職が多いと思われがちですが、大卒であれば新卒1〜2年目の転職率が最も高いのです。
新卒で転職を考えているなら「何年目で転職するものなのか」が気になるところですが、入社1~2年で転職することに悩む新卒は多く、意外と行動していることが伺えます。
新卒で辞める人の割合は?
大卒や高卒別で見る割合
では、転職でなくても、辞めている人はどのくらいいるのかも見ていきましょう。
これは、厚生労働省が調査した「新規学卒就職者の在職期間別離職率の推移」をグラフにしたものです。
グラフデータを見てみると、大学卒新卒の約3割の人が入社3年以内に離職しています。
令和2年と令和3年は、2年目までと1年目までしか調査結果がないためグラフには反映されていませんが、ほぼ同じ割合で新卒が離職していると思っていいでしょう。
新卒が3年以内で辞める傾向は最近のことのように思われている方も多いでしょうが、驚くことに平成が始まってから約30年間、令和に至っても新卒の離職率は変わっていません。
つまり、今の上司や40〜50代の人の世代でも、大学卒新卒の10人のうち3人が新卒3年以内で辞めていたということです。
年齢・男女別に見る割合
また、厚生労働省の令和3年に統計した「雇用動向調査結果の概要」という別のデータでは、年齢・男女別の入職(入社)と離職率が出されています。
上のグラフが(男)で、下のグラフが(女)です。19歳以下は高卒からの就職や離職なので、大学卒は20〜24歳のところを見ます。
グラフからもわかるように、やはり24歳以下の離職率が最も高くなっています。
24歳までなので、やはり新卒入社1〜2年目で辞める人は3割近くいるようですね。
男女別で見ても入職率はほぼ同じなのですが、新卒1〜2年目での離職率は男24.2%、女26.9%で女性の方が離職率が高いようです。
新卒で転職した人が前職を辞める理由
では、転職をした人がどんな理由で前職を辞めたのかを見ていきましょう。
厚生労働省の調査では、新卒入社1〜2年目で転職をした人が前職を辞めた理由を見てみると、(その他を除いて)男性が「給料等収入が少なかった」、女性が「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」が1位で、2位はそれぞれもう片方という結果でした。
新卒が辞めた理由で最も多いのは「労働環境・待遇」
近年ブラック企業問題が広まり、男女ともに職場環境や労働条件を理由に前職を退職していますね。
人手不足が騒がれる中、若手を劣悪な環境で労働させたり、実現しない夢を抱かせて働かせる企業が目立つのもうなづけます。電通の「過労死」も社会問題となりましたね。
「働くとは何か」を考える思考も広がり、健康や人生を第一にすることが大切という意識が重要視されているようです。
前職を辞めた理由3位は男女別で違う!
2位以下を見てみると、やはり男性は仕事が人生のほとんどを占めますし、仕事に生きがいを求める人も多いので内容重視という人が多いようです。
男性は人生がかかっていますし、転職時期が難しいですが自分のやりたい仕事に近づくことが一番ですので、将来を考えた行動に出る傾向があるようです。
私も3位の「仕事のないように興味を持てなかった」に近い理由で転職しましたが、もしも今の仕事がつらい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
一方、女性は協調性や働きやすさを求める傾向にあるため、職場の環境や人間関係を重視している人が多いです。
人間関係においては、男女ともに仕事ができるようになれば評価されますしやる気も出ますが、女性は特に輪を外れたり乱したりすると目をつけられやすいことが起因しています。
仕事内容より働きやすさを重視する方は自分一人では改善は難しいので、上司に相談するか、環境が合わないと思ったら転職をしてしまった方が早いでしょう。
新卒にとって何年目の転職がベストか?
ベストな転職時期はその人の状況次第
新卒の離職率・転職率が高いことは理解できましたが、「じゃあ、実際何年目で転職するのがベストなの?」と悩んでしまう方も多いでしょう。
結論から言うとそこには決まった答えはなく、あなたが将来どんなキャリアを歩み、どんな転職をしたいかによって変わってきます。
人によってはさっさと転職した方がいい場合もありますし、キャリアを積んでからのがいい場合もあるからです。
転職したい先が未経験で異業種なのか、同じ職種なのか、とにかく今を脱したいが故の転職なのか。人にはそれぞれ歩みたい人生があるように、何年目の転職がベストなのかも変わってきます。
何年目の転職がベストかわからなければ相談する
また、何年目の転職がベストなのかを直接プロに聞くのも選択肢の1つです。
転職とは自分本位だけではうまくいきません。景気や業界の動向によっても、転職のしやすさなどは変わってきます。
また、転職活動はがむしゃらに行っても失敗を重ねるだけなので、自分の強みや適性を知った上で最適な求人を見つけることや、企業に合わせた面接対策をする必要があります。
転職エージェントでは、自分の適性や進みたい方向性なども客観的に判断したうえで、マッチする求人探しや面接対策も行ってくれます。
「マイナビジョブ20's」などの転職エージェントなら、第二新卒をはじめとした20代を専門に転職のサポートをしているので情報量も多く、今すぐ転職しなくても視野を広げることができるのでおすすめです。
転職活動は何度でもチャレンジできるので、自分にとって最適な転職を知る上でもまずは転職活動をしてみるといいかもしれませんね。
転職は何年目ではなくしたい時がベスト!
ここまで、何年目の転職が一番多いのか、離職率や転職理由などをデータをもとに解説してきましたが、いかがでしたか。
もう一度これまでの情報を整理すると、以下の通りです。
- 転職が最も多いのは社会人1~2年目
- 過去30年間に渡って新卒3年以内に辞める割合は3割
- 男性で辞める理由で最も多いのは「収入面」
- 女性で辞める理由で最も多いのは「環境面」
- 転職するタイミングは人それぞれ
転職にしても何かを決断し、行動を起こすには時間も体力も入ります。年齢を重ねるごとに、挑戦できることやリスクを取ることが難しくなります。
しかし、これを見て悩んでいるあなたはまだ若い!
「若さ」は力でもあり、たくさんの可能性を秘めています。今だからできることもあります。
人生を変える大事な時期は、「あなたが転職したい」と思ったときがまさにベストなタイミングです。
もしもすぐに転職に踏み切るのが怖いときには、「転職すべきかを確かめるための転職活動」をしてみるのがおすすめです。